秘密保持契約(NDA)の基礎知識【2026年版】副業・フリーランス必須ガイド
「NDAって何?サインしても大丈夫?」
副業やフリーランスで仕事を受けると、NDA(Non-Disclosure Agreement:秘密保持契約)の締結を求められることがあります。
NDAは機密情報を守るための重要な契約ですが、内容をよく理解せずにサインすると、後でトラブルになることも。この記事では、NDAの基礎から注意点まで詳しく解説します。
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NDA(秘密保持契約)とは
NDAとは、業務上知り得た機密情報を第三者に漏らさないことを約束する契約です。企業が外部の人に仕事を依頼する際、機密情報を保護するために締結します。
NDAの別名
- ・秘密保持契約書
- ・機密保持契約書
- ・守秘義務契約書
- ・Confidentiality Agreement(CA)
NDAで保護される情報の例
ビジネス情報
- ・事業計画、戦略
- ・顧客リスト、取引先情報
- ・価格設定、原価情報
- ・未発表の製品・サービス
技術情報
- ・ソースコード、アルゴリズム
- ・設計図、仕様書
- ・ノウハウ、製造方法
- ・特許出願前の発明
NDAの種類と特徴
片務的NDA(一方向)
一方の当事者のみが秘密保持義務を負う形式。副業・フリーランスがクライアントから受ける場合、多くはこの形式です。
例:クライアントの機密情報を受け取る副業者が、その情報を外部に漏らさない義務を負う。
双務的NDA(双方向)
両当事者が互いに秘密保持義務を負う形式。共同開発や対等なパートナーシップで使用されます。
例:共同プロジェクトで、お互いの技術情報を共有する場合。
NDAの重要チェックポイント
NDAにサインする前に、以下のポイントを必ず確認しましょう。
1. 秘密情報の定義
何が「秘密情報」に該当するのか、明確に定義されているか確認します。
注意点
- ・「すべての情報」など曖昧な定義は避ける
- ・書面で「秘密」と明示されたもののみを対象とする条項が望ましい
- ・口頭での情報開示の扱いも確認
2. 秘密保持期間
義務がいつまで続くのか確認します。
一般的な期間:
- ・契約終了後2〜5年が一般的
- ・「永久」は過度に長いため交渉の余地あり
- ・技術情報は長め、ビジネス情報は短めが通例
3. 例外事項
秘密保持義務から除外される情報が明記されているか確認します。
一般的な除外事項
- ・開示前から知っていた情報
- ・公知の情報
- ・第三者から正当に入手した情報
- ・独自に開発した情報
4. 損害賠償条項
違反時の責任範囲を確認します。
確認ポイント
- ・賠償額の上限が設定されているか
- ・「直接損害に限る」等の限定があるか
- ・故意・重過失のみを対象としているか
5. 情報の返還・破棄
契約終了時の情報の取り扱いを確認します。
デジタルデータの完全削除は技術的に困難な場合があるため、「合理的な範囲で」などの文言があるか確認。
AI時代のNDA注意点
AIツールを使用する場合、従来のNDAに加えて特別な注意が必要です。
AIツールへの入力は「開示」に該当する可能性
ChatGPTやClaudeなどのAIツールに機密情報を入力すると、NDA違反となる可能性があります。多くのAIサービスは入力データを学習やサービス改善に使用する場合があるためです。
対策1:AIツール使用について事前に確認
契約前に「AIツールを補助的に使用する可能性がある」ことをクライアントに説明し、許可を得る。
対策2:機密情報の匿名化
AIに入力する際は、具体的な企業名、個人名、数値などを仮名・仮数値に置き換える。
対策3:ローカルAIの活用
特に機密性の高い案件では、オフラインで動作するローカルAI(LM Studio等)の使用を検討。
対策4:API版の利用
OpenAI API版は、入力データが学習に使用されないオプションあり。エンタープライズプランも検討。
NDAトラブル事例と対処法
事例1:SNSでの不用意な発言
大手企業のプロジェクトに参加していることをSNSで投稿し、NDA違反を指摘された。
対処法
- ・案件に関する情報は一切SNSに投稿しない
- ・ポートフォリオ掲載も事前に許可を得る
- ・「某企業」「某プロジェクト」という表現も避ける
事例2:AIツールへの入力
効率化のためにChatGPTにクライアントの企画書を入力し、要約を作成。後日、情報管理について指摘された。
対処法
- ・機密情報は絶対にAIに入力しない
- ・入力する場合は必ず匿名化
- ・AIツール使用について事前に合意を得る
事例3:類似案件の受注
A社の案件で得たノウハウを活かして、競合B社の案件を受注。A社から問題視された。
対処法
- ・競業避止条項の有無を確認
- ・一般的なスキル・知識と機密情報を区別
- ・不安な場合は事前に相談
NDAに同意する前のチェックリスト
- ☐ 秘密情報の定義が明確か
- ☐ 秘密保持期間が合理的か(永久ではないか)
- ☐ 例外事項が適切に記載されているか
- ☐ 損害賠償の上限があるか
- ☐ 競業避止条項の範囲が過度でないか
- ☐ 情報の返還・破棄の方法が現実的か
- ☐ AIツール使用について確認したか
- ☐ 不明点は質問・交渉したか
交渉は可能
NDAの内容に疑問がある場合、交渉することは一般的です。「この条項について確認させてください」と質問するのは失礼ではありません。むしろ、プロフェッショナルとして適切な行動です。
まとめ
NDAは自分とクライアント両方を守るための重要な契約です。
内容をしっかり理解し、特にAIツール使用時の注意点を押さえることで、安心して仕事に取り組めます。
覚えておきたいポイント
- 1. 秘密情報の定義と期間を必ず確認
- 2. AIツールへの機密情報入力は原則禁止
- 3. 不明点は遠慮なく質問・交渉
- 4. SNS投稿は特に慎重に
よくある質問
NDAに違反するとどうなる?
損害賠償請求を受ける可能性があります。実際の損害額に加え、信用失墜や今後の仕事への影響も大きいです。故意の場合は不正競争防止法違反で刑事罰の対象となる可能性もあります。
案件をポートフォリオに載せたいのですが?
NDAで禁止されている場合が多いです。掲載したい場合は、クライアントに書面で許可を得てください。「実績として記載可」という条件を契約時に交渉する方法もあります。
NDAを結ばずに仕事を受けても大丈夫?
法的には可能ですが、機密情報を扱う場合は自己防衛のためにもNDAを結ぶことをお勧めします。NDAがない場合でも、信義則上の守秘義務は発生する可能性があります。
英語のNDAを受け取った場合は?
内容を正確に理解することが重要です。不安な場合は翻訳ツールや専門家に相談してください。特に準拠法(Governing Law)が海外の場合は注意が必要です。